今や海外ウェディングといえば世界の様々な国で日本人の結婚式が行われています。中でも多いのがハワイとグアムです。実は私自身も2011年にグアムで結婚式を挙げました。タモン湾を前に最高の挙式を行うことができました。やっぱり海は人の心を動かすものですね。しかし、その素晴らしい結婚式に至るまでには様々な苦難がありました。
私はその頃、グアムウェディング事業はまだ始めていませんでしたが、ブライダル業界にはどっぷりと携わっておりました。知識のない海外ウェディングといえど、自分の思い通りの結婚式を作れると考えていましたが、それはとんだ思いあがりで大手業者の圧倒的な壁に跳ね返されました。それは進撃の巨人でも超えることができないような壁です…
場所を持たない新郎新婦は大手業者のレールに乗るしかない
まず、オリジナル性の高い結婚式とはなんでしょうか。考え方は人によって様々だとは思いますが、まずは「場所」そして「アイテム」が大きな部分だと思います。
しかし場所に関しては日本にいながらグアムのウェディングロケーションを探すのはとても困難です。結果、大手業者の提示するチャペルなどから選ぶしか方法はなくなります。ではアイテムだけは…と考えますが、ウェディングドレスやタキシードを始め、あらゆるものに「持ち込み料」が課され、オリジナルのウェディングを創りあげることを拒絶されます。
要は大手業者がある程度レールを作って、新郎新婦にはそこを走ってもらいます、というビジネスなのです。結果、場所の選択肢を持たない新郎新婦はそのレールに乗るしかないのが現状です。場所を抑える大手業者の壁を乗り越えるのは一般の方では不可能です。私も業界人でありながら、このレールに乗らされるのは屈辱的でしたが、さすがに折れそうになりました。
しかし、当時から持ち込み料などブライダル業界の構造に否定的だった私は「ここで自分が持ち込み料を払っていては、自分にこの業界を変えることはできない」と考え他の方法を模索し始めました。
ハワイ挙式なら地元教会とフリーランスにお願いすれば
ちなみに専門ではありませんが、ハワイウェディングの場合では少々様子が違います。ハワイ挙式なら一般の方でもこの大手業者のレールから外れることに成功した方は少なくないのです。その秘密はハワイの場合、地元の本物の教会が日本人の結婚式に寛容であることと、その結果フリーランスのプランナーが日本やハワイにいるからです。
グアムはハワイと違って、地元の教会は非常に閉鎖的です。閉鎖的というと語弊がありますが、ハワイほどアメリカンビジネスが浸透していないからだという話を聞いたことがあります。そんなグアムでどうやってオリジナルウェディングを実現させたか、ご説明させて頂きます。
チャペルが全滅ならレストランがある
「なぜグアムでの挙式はすべてチャペルになるのだろう?」私はまずそんな疑問を抱きました。日本では様々な形の結婚式があるわけです。そこで私が目をつけたのがレストランです。日本の大手業者の息がかかっていないレストランで挙式と食事会を行えば、自由にやれるのではないかと考えたわけです。
これは大正解でした。そしたら運のいいことに、日本人スタッフのいるグアムのレストランと繋がることができたのです。状況と私の結婚式に対する考えを伝え、その方は全てを寛容に受け止めてくれました。結果、そのレストランの海が見えるテラスで挙式を行うことができました。場所を確保できれば大手業者の用意したレールを走らなくていいのです。これが今私が行っている「ノンルーフリゾートウェディング」の原点です。
そして「人」を選ぼう
今では地元チャペルとも繋がり、レストラン以外でも様々な場所でオリジナルウェディングができるようにサービスは整えてありますが、この当時、このレストランを見つけれたことはとても幸運なことでした。しかしそれ以上にそのレストランの日本人スタッフAさんに出会えたことも私の人生において大きな幸運でした。
私はAさんと少しメールをしただけで「この方にすべてを任せよう」と思うことができ、細かいリクエストはほとんど出しませんでした。新郎新婦様の中にはプランナーさんに多すぎるリクエストをされる方もいらっしゃるようです。そして、その一つでもうまく行かなければクレームを… そんな結婚式はちょっとさびしい結婚式ではないでしょうか?
結婚する方も感謝の気持ちを持って寛容であることが大切だとそのとき知りました。そして寛容でいられる為に、心から信頼できるプランナーさんに出会うことが成功への近道です。
松井明紀(ノンルーフリゾートウェディング)
グアムウェディングにおいて、初めて大手業者のルートを介さない独自ルートを開拓し、グアムでのオリジナルウェディングを可能とした。
http://wedding.iihito.link/archives/46